表計算ソフトの取り扱い
表計算ソフト(のためのシート,すなわちスプレッドシート)の悪辣な取り扱いが減らない。以前に比べれば,どういう使いかたがよろしくないか・どう使うべきかという記事は増えてきたように思う。しかし,そうした記事を読む層はそもそも分かっている層であり,分かっていない層は記事を読まない。
抽象的な表計算の構造や理念こそ,情報科の授業で取り扱われるべきである。細かな操作はソフトウェアによって異なり,将来どれがスタンダードになるかは分からない。その都度使いながら覚えればよい。
表計算と「紙にしたときの見た目」を同時に解決しようとすることは慎むべきである。データの羅列の眺めかた・扱いかたを知り,そうしたものでは見映えは二の次であるという常識が広まれば,誰もが Excel ファイルや Google スプレッドシートで見映えを調整するような悪夢からは逃れられるのだ。
- 「ネ申 Excel」問題1
- 情報科の授業を担当したときには配付した。
- Six tips for better spreadsheets2
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奥村晴彦,「ネ申 Excel」問題。奥村研究室,参照 2022-08-29。情報教育シンポジウム2013論文集(CiNii)。 ↩︎
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Jeffrey M. Perkel,Six tips for better spreadsheets。Nature,参照 2022-08-29。 ↩︎